「別にいいよ。」

言いながら田代和希は笑ったような気がした。

ニヤリと。


よし、これであたしの役目は終わり。

やっと帰れる。

と思って立ち上がろうとしたけどうまくいかない。

そしたら体がふわっと浮いて立ち上がれた。


それは田代和希が手を引っ張ってくれたおかげだった。

「あ、ありがとう。」


「全然いいよ。こっちこそぶつかってごめん。じゃあね。」

言葉を返す時間を与えないように行ってしまった。

ていうか意外としゃべるんだな。

最初はクールっていうか冷たい人かと思ったけど

結構明るいのかな?


そう考えながらあたしは家に帰った。