「っ…。」

すごく恥ずかしい。

しかも女の子らしい声1つも出なかったし。

こんな空気より笑われるほうがよっぽどマシ。


「ごめん。」

謝ってくれた。

あたしも何か言わなきゃ。

でも田代和希はもうあたしを通り過ぎていた。


やばい!

せめて亜季との約束を言わなきゃ!

「ねぇっ!」

「なに?」

振り向いてくれた。


「今から時間ある?」


何も言わない。

聞こえてなかった?

よし、もう一度。

「今か「あるけどなに?」

「あ…。」

言葉が出てこない。

正直すごく見られてるし緊張する。


「体育倉庫前に行って…くれますか?」

恥ずかしい。

まるであたしが告白するみたいな雰囲気。

この言葉を聞いた周りの女子が一斉にあたしを見る。