「覚悟・・・ですか?」

「ああ、覚悟だ、聞いてしまったからには戻れない。」

思わず黙ってしまう。

知らなければ幸せ、ということもあるだろう。

しかも、風とはしばらくの間「友達」でいなければならない。

断ろうか、それとも聞くべきか。

「分かりました、今は聞きません。」

知ってしまってはいけないことだろうと思った。

知らなければいい、目をそむけていれば普通の「友達」でいられる。

「そうか、まあいいさ、いずれ風も自分から話すだろうね。」

クロフォードが部屋を出て行った。

でも気になる。

気にしてはいけないと思いつつも風の部屋を見渡してみた。

何もない、いたって普通の女の子の部屋に置いてある物がある。

ただ、一枚の写真を除いて・・・。