二人がソファでくつろいでいる時、鍵をかけたはずの扉が開いた。
とっさに身を起こした二人は、入ってきた人を見る。
そこいたのは茶髪に整った顔立ち、悠稀とよく似た男性が立っていた。
「誠人マサトさん」
顔を強張らせていた唯織は、安心したように力を抜いた。
「なんだ、親父か」
警戒していた悠稀もまた、警戒を解いて男に近づいた。
「二人とも、お疲れ様。よかったぞ」
「ありがとうございます」
「当たり前だ」
嬉しそうに答える唯織と、当然のような顔をした悠稀。
「この調子なら、卒業まで隠し通せるだろう」
「親父たちが面倒なことするからだろうが!」
「悠稀、その格好のときは女らしくしろと言っているだろう」
「俺は男だ!!」
怒り、叫ぶ悠稀と宥める唯織。