今日は名門高校、私立双葉学園の入学式。
多くの有名人が、優秀な人材を探して此処へ集まる。
今は丁度体育館で、入学式が行われている。
「それでは、生徒会挨拶」
司会の言葉で女子生徒と男子生徒がステージへ上った。
それまで静かだった体育館が騒ぎ出す。
全ての視線がその二人へと向いていた。
しかし二人は臆することなく中央へ進み、挨拶を始めた。
「新入生の皆さん、ようこそ双葉学園へ。
私は生徒会長の早瀬唯織-ハヤセ イオリ-です。
これからよろしくお願いします」
まず挨拶をしたのは、男子生徒の方だった。
肩までの艶やかな黒髪と深い藍色の瞳。
銀のフレーム眼鏡を掛けた、まさに皇子のような男だった。
唯織は簡単に挨拶をすると、一度礼をして後ろへ下がった。
そして一緒にステージへ上がってきた女子生徒が前へ出た。
唯織からマイクを受け取って話しだす。
「おはようございます。
私は双葉学園の副会長をしている高槻悠稀-タカツキ ユウキ-です。
学園で困ったことがあれば、いつでも生徒会へどうぞ」
悠稀は笑顔でそう挨拶をした。
腰まであるウェーブした栗色の髪と翠の瞳。
整った顔立ちは可愛らしく、姫の様だった。
「生徒会からの挨拶でした。
―――以上をもちまして、入学式を終了いたします」
二人の挨拶を最後に、入学式が終わった。