『あとはおまじないをかけたら、貧乳になって美味しいチョコを作れるようになるのだ★』


「肝心な所が丸々誤魔化されたー!!」


 カピカピが怒りを込めて、ゾックの覆面を思い切り下に引っ張った。


「おまじないってなんだ、おまじないって!! そんなんで貧乳になるなら、おまじないで俺が巨乳ハーレムを作ったっていいだろうぅぅ!!」


『落ち着け、新たな同士よ。言いたいことはわかるが、意味がわからない』


 ゾックは冷静に、『顔伸びちゃうから』とカピカピを引き離した。


『わかった、おまじないの理屈を丁寧に説明してやろう』


「ああ、俺が納得できるように頼む」


『巨乳なんて、所詮ただの脂肪だ』


「夢も希望もないことを言うな!!」


『その脂肪を、力に変換する』


「…………は?」


『そう、それがおまじないのパワー★』


「結局何にもわかんねえよ!!」


『なかなかのわからず屋だな、新たな同士よ』


「わかるほうがおかしいだろ!!」


『だがここはそういうものだ、と思ってもらうしかないな。現実に、お面ライダーは貧乳になって、美味しいチョコを作れるようになったのだから』


「……さっきから気になってたんだが。その言い方……まさか、お面ライダーを改造したのはオマエか?」


『……ほう、なぜそう思う』


「そう考えるのが自然だろ。お面ライダーの作り方だとか、お面ライダーの正体だとか、作った本人じゃなければ知らないことなんじゃないのか?」


『なるほど……』