「カピカピという名前がな!!」


『名前ダサっ!』


「ダサくない!! 断じてダサくない!! 世界中のカピカピさんに謝れ!!」


『世界中のカピカピさん、すいませんでした』


「ああ、うん、いいよ」


『軽いな!』


「まあとにかく整理するとだ、チョコレートを日本から失くすために、俺を誘拐して地獄の軍団を作ったってことだな」


『誘拐とは聞き捨てならないな、炊飯器について時間の経った米粒よ』


「誰がカピカピだ」


『合っているではないか』


「うるせえよ」


 カピカピはあごに手を当て、そこまでの流れを思い返した。


「ところでゾックジャパン」


『日本代表監督みたいに言うな』


「だとしたら、ひとつ疑問がある。オマエ、最初に“答え”に近づいたとかなんとか言ってただろ。あれって何だ?」


『……聞かれていたのか。アァ、ゾックゾクする★ピェー』


 ゾックはカピカピの両肩に手を置き、カピカピの顔をじっと見つめた。


『“答え”とはつまり、日本からチョコレートを失くすことだ』


「……そうか。なんかゴメンな、余計なこと聞いちゃって」


『いいさ、気にするな、新たな同士よ』


「だが、そんなくだらない計画に、俺が簡単に乗ると思うなよ!!」


 ゾックはカピカピの肩から手を離して、後ずさりした。


『どういうことだ、新たな同士よ』


「いいか、俺に協力して欲しかったらなぁ……!!」