『つい先日、ハデアールが、今年も実験をやると言い出した。

これ以上、私のような被害者を出してはならない。そういう思いで、ショックーを作った。あ、失礼』

ゾックは両手を突き上げ、肘を曲げた。足ももちろん同じように動かす。

『ショックー』



「今それどうでもいいだろ!!」



『ハデアールの8年間に及ぶ研究の成果で、おまじないはこの場所でしか発動しないことがわかった。なぜかはわからないがな』



「だから対決がこの場所だったのか……」

カピカピはそこで、重要なことに気がついた。

「そういえば、前のお面ライダーってどうなったんだ? まだお面ライダーの姿なのかよ」



《ハッハッハッハ》

自分の出番を待っていたハデアールは、思い切り声を張り上げる。

《いや、元の姿に戻れたのでアール》



「え!? 戻れたの!?」



《ハッハッハッハ、なぜ元に戻れたのか、その仮説を証明するために、今年もお面ライダーを誕生させたのでアール》



「……あれ? お面ライダーは男に夢を与えるためとか、あれはウソか?」



《ハッハッハッハ……実験はそのついでなのでアール》



「実験がついでなのかよ!!」