【うそです。信じないのです。気持ちは変わらないのです】

お面ライダーは頑なに否定する。



「それならそれでかまわない。無理する必要なんてない。信じてくれなくてもかまわない」

カピカピはそこまでを早口で言って、一瞬口を閉じ、思いを込める。

「それでも俺は、ユシャのことが好きだから」



【…………】

お面ライダーは何も言わず、カピカピの顔を見つめる。



「ハデアール!」

カピカピはお面ライダーの後方に向かって、叫ぶ。

「おまじないで、ユシャを元の姿に戻してやってくれないか? その代償は、俺が全部受けるから!」



《……ハッハッハッハ》

ハデアールがカピカピの言葉を聞いて、小さな声で笑う。

《くさいセリフには従いたくないのでアール》



「頼むよ……」



《ハッハッ……ハハ……》

つっこんでこないカピカピに、さらにボケを重ねることが、ハデアールには出来なかった。

《できたらやってるのでアール》



「え?」



 そこでゾックが、カピカピの背中側から声を上げた。

『新たな同士よ。私がどうして、こんな怪物のような姿になったのか、考えなかったのか?』