【よく招いてくれたな、ゾック・ピエールと二週間放置して置いた食パンについた緑色のヤツよ】


「誰がカビカビだ!!」


【私は誰でしょう? 正解はお面ライダーでしたー】


「ていうか、さっきと全然違うんだけど!! どんだけ間違ってたの!?」


【世のブサイクたちのため、私は戦いをやめるわけにいかない】


「ブサイクって言っちゃった!! チョコをもらえない理由が顔とは限らないんだからな!!」


 お面ライダーは両手を上げて重ね、そこから両肘を張って耳の横に手を持ってきた。

ついでに、きっちり足も開いた。


【ショックー、私は正義のヒーローとして、貴様らを必ずけちょんけちょんにしてやる!】


「なんでショックーのポーズ知ってんだよ!!」


【貴様らの挑戦、受けて……】


 そこでお面ライダーは止まり、台本を読み返した。


【社長サン、よかったです。できたのです。成功したのです】


《ハッハッハッハ、よく頑張ったでアールな》


「最後は受けて……で正解なの!?」


 ゾックは幸せそうなハデアールとお面ライダーを見て、微笑んだ……ような気がする。

実際は上唇が大きすぎて、微笑んだのかどうか、よくわからない。


『ハデアールよ、なかなか優秀そうな人材を確保したではないか』


「何をもって優秀と判断したのだろうか」


《ハッハッハッハ、いいだろう、今年のお面ライダーは、目に入れても痛くないかわいこちゃーんなのでアール》


「過保護か」


『どんな人材であろうが、おまじないをかければみんな同じだがな』


「結局同じなのかよ」


《ハッハッハッハ、そんなことはないのでアール。元が巨乳であればあるほど、より美味しいチョコを作れるようになるのでアール》


「貴様、必ずミンチにしてやる」


『しかし、去年あんなことがあったのに、よく今年も人材を確保出来たな』


「あんなこと?」


《ハッハッハッハ、知らないのでアールか。ならば去年のお面ライダーについて教えてあげるのでアール、新たな同士よ》


「オマエの同士じゃねえよ」