『残念だが、不正解だ』


「え……じゃあ……」


『だが……私は、お面ライダーを作った人物を知っている』


「作った人物?」


『そう……大学時代、“おまじないサークル”で一緒に研究していた仲間だ』


「そんなサークルねえだろ!!」


『だがここはそういうものだ、と思ってもらうしかないな。現実に、私は“おまじないサークル”に所属して、一緒に研究していたのだから』


「さっきからそればっかじゃねえか!!」


『私はかつての仲間として、彼の横暴を止める責任がある!』


「オマエ自身の横暴は誰が止めてくれるんだろうか」


『サァ、一緒に戦おう、新たな同士よ』


「……それなんだけどさ」


 カピカピが街頭演説をするように語り始める。


「戦うってそもそもどういうことだよ。日本からチョコを失くすことが目的なんだろ?

じゃあ別に、お面ライダーと戦う必要なんてないんじゃないのか?

それに、戦うったって今日がバレンタインだぜ。もうチョコ配ってるんじゃねえの?

お面ライダーと直接対決するなら、こんな荒野にいる場合じゃないだろ」


『大丈夫だ』


「はぁ? 何が大丈夫なんだよ」


『ここがその、直接対決の舞台なのだ』


「はぁ? 意味がわから……」


《ハーッハッハッハッハ》


 荒野に大きな声が響き渡り、カピカピとゾックは声の聞こえた方向を同時に見た。