不覚にも、ドキッとしてしまった。
こんな綺麗な顔でいろんな表情を見せてくれる尚人。
あたしは駆け引きなんてどうでもよくなって
尚人とはやく繋がりたいって思った。
『でも、本物よりずっと綺麗じゃない?』
あたしがそう言うと
『よし!じゃあさらに沙衣を感動させてやろう。』
『え?』
『行くぞっ。荷物持って!』
『はいっ!?』
あたしは言われるがままに尚人に連れられて家の外へ…
てか家行ったのに何も無いって…
あたし尚人の好みじゃない!?
でもメールで気になってるって言われたし…
とか考えていると
『はいよ』
と言ってメットを渡された。
『??』
『かぶって待ってて。』
すると、向こうからブロロロロとエンジン音が聞こえてきた。
バイクに乗った尚人。
『はいよ。沙衣、うしろ』
そう言って顎でうしろに乗れって合図をしてくる。
『うん…』
うしろに乗ったはいいけど、
あたしバイクなんて乗せてもらったことないし!?
友達みんな車だしなぁ。