「おし!!何か案ないか??
 ちなみに、他のクラスが思いつかなそうな奴な。
 かぶったら、それだけインパクトが無くなる。
 インパクトがあって、
 なおかつ経費の少なくてすみそうな奴!」


クラスがざわつき始める。

メイド喫茶、甘味処、お化け屋敷…。

たくさんの意見は出るが、どれも一般的だ。

インパクトに欠ける。

そんな時だった。


「なぁ、ホールって使えんだろ??」


声のした方を向くと、そこには一人の男子。

目立たない黒髪のはっきり言って地味な奴だった。


「あ、あぁ、使えると思う。」

「じゃあ、〝メルヘン喫茶〟なんてどうだ…?
 ホールで劇の公演をした後、
 こっちの喫茶店で、その話にちなんだメニューを出す。
 公園は一日、午前午後で2回。
 文化祭の一般公開は3日。
 少なくとも、6回公演できる。」


ただ、淡々と語るソイツにクラス中の視線が集まった。

そして…、


「…面白そうじゃん!!」

「うん、それなら、皆公演にも出れるしね!」

「インパクトもあるし、宣伝もしやすいじゃんよ!!」


どんな話にする?、メニューは?等、

色々な質問が飛び交う。


「じゃあ、〝メルヘン喫茶〟に決定!!」

「「おおおお!!!」」


渡草の声にクラスが賛同した。