だいたい、なんであんなにみんな騒ぐの?

イケメンなんて、この学校は多いほうじゃん。
今どきこんなに騒ぐほどのイケメンなんていないでしょ。

あたしはため息をつき、机にうつ伏せ状態になった。



絶対、あたしが朝会ったアイツのほうがかっこいい。
性格は最悪だけど、顔だけなら満点以上。


アイツを見てしまったから。
きっとあたしはアイツよりかっこいいとは思わないと思う。

って、なにあたしあんな奴のこと考えてるの…っ!?


一人頭の中で葛藤を繰り返していたあたし。



その頭の中に、今度は足音が聞こえてくる。
教室中が静かになり、その音が鮮明になってきた。

だんだんと大きくなっていく音が、近づいてきていることを表している。


そしてあたしの隣まで来て、足音が止まった。



隣の席、か。
一人って好きだったのにな。





「小野、さん?」

そんなことを考えていたあたしに、急に聞こえてきた声。


柔らかく、優しそうな声。


あたしはその声に顔を上げた。