「俺、ずっと早乙女に
 言いたいことがあったんだ。」

「言いたいこと??」

「俺、あの日。
 早乙女が教室で泣いてた日。
 早乙女に告ろうと思ってたんだ。」



っえ!?告ろうって.....

どういう意味??



「一目惚れしたんだ。
 入学式で見たときに。」



なにを言っているのかが分かんないよ。



「ずっと早乙女を見てた。
 でも気付いてもらえなくて。」



わけがわからなくて、上手く呼吸ができない。


「だからあの日早乙女にあんなことを...」




そう言って彼は
私のほうへ歩み寄ってくる。


「叶わない恋だって
 あの日わかったはずなのに....」

どうしても、
安達君の言葉が理解できない。


なんで、どうして。


「どうしても諦められなかったんだ。」


そして彼は、
私の目を見つめこう言った。





「今でも好きなんだ。早乙女のことが。」









彼はそう言い終えると同時に、
私の腕を引き抱き寄せようとした。











いや。





これじゃぁ、あの時と同じ。







やめて。助けて.....




誰か助けて!!







そう思い目を瞑りかけた時だった。