でもそこにいたのは晴登じゃなくて...


同じクラスの、
安達凌(アダチリョウ)君だった。





彼はクラスのムードメーカーで、
よく面白いことを言うから知っていた。




「早...乙女???」






ヤバい。晴登の名前だしちゃった。





逃げなくちゃ。




そう思い逃げだそうと
立ち上がったとした瞬間。








バシッッ!!!







安達君に腕を掴まれた。



「逃げるなって。
 泣いてるのか??どうしたんだよ。」




彼はそう言って話しかけてくる。





私は腕を掴まれたまま、黙り込む。







晴登以外の男の子に
腕を掴まれるなんてヤダよ。


そう思うとまた涙が出てしまう。