「アンタさっきの・・・!」


ドアを開けて男が顔を除かせていた。
男は口角をニッと上げながら部屋に入り、後ろ手にドアを閉める。


朝日より背が高い、整った顔立ちと特徴的なたれ目。

間違いなく鶴見屋の前で会った男だった。


男はゆっくり朝日に近づいてくる。



「な・・・なによ・・・」



朝日は怯えながらも声を上げる。
後退りたいが縄で縛られていて身動きがとれない。


男は朝日のすぐ傍までくるとスッとしゃがみこんで朝日の顔を覗きこんだ。



「気分はどーお?朝日ちん」


「!?・・・なんで私の名前・・・!?」



男とは面識はないはずだ。なのにどうして名前を知っているのか。
S高の生徒?
それとも他の?

考えが次々に浮かぶがまとまらない。



「あらら?どうしたの?急に黙っちゃって。あ、ちなみに俺、ミドリくん。よっろしく~」



「・・・・」