是人は上機嫌だった。
なにせずっと前から欲しい欲しいと予約しておいたジャスミンちゃんの限定版フィギュアが手に入ったのだから。
(僕の鞄の中にジャスミンちゃんがいると思うと・・・)
是人は爆発しそうな嬉しさにウキウキしながら鶴見屋を出た。
さて。
早く家に帰ってジャスミンちゃんを飾らなくては!
どこに配置しようか。
本棚にはリリスちゃんがいるし机の上はロイファンの全キャラが並べてあってスペースが無いし・・・。
是人は自分の部屋の中を思い出し、ジャスミンの配置を考えながら歩いた。
・・・と。
バリッ。
「ん?」
何かを踏んだらしい。
是人は何だろうと足を退けて地面に落ちていたソレを見つめた。
「何だ、これ」
ヒョイと拾い上げてみる。
可愛らしいラッピングの包みだが地面に落ちていたせいで土が付いていた。
中身はクッキーのようだ。しかし。
「粉々だ・・・」
言いながら是人は軽く土を手で払い、ボロボロのクッキーの包みを眺めた。
誰かの手作りのようだと思った。
でも、それがどうしてこんなところに落ちていたのだろう。
是人は首を傾げながらクッキーの包みを引っくり返してみた。
「あれ?」
包みの口を結んでいるリボンに、小さなカードが挟んであった。
「何だろう?」
是人がリボンからカードを外してみると、二つ折りになっていた。
それを開いてみる。
「・・・え?」