「どーもー」
「え?」
朝日が帰ろうとして後ろを向いた瞬間、目の前に知らない男が立っていた。
背が朝日より高くて、顔立ちは整っている。
特徴的なたれ目が男から不思議な雰囲気を醸し出していた。
歳は朝日と同じくらいだろう。
しかし、知らない男だ。
「??・・・誰・・・――」
ドスッ!
「・・・っ!」
朝日の腹部に衝撃が走った。
手に持っていたクッキーの包みが地面に落ちる。
「大人しくしてねー。じゃないと痛い目みるよん。あ、でも今のも痛かったかな。あはは」
男が何か話していたが、朝日はほとんど聞き取れなかった。
痛みのあまり意識が遠退いていく。
ふらついて倒れそうになった朝日を、男は素早く抱き止めた。
そして、にんまりと広角を引き上げて言った。
「んーじゃ。行きましょっかね」