朝日は目を見開いた。

手に持ったクッキーの包みに顔を近づける。



「わ、割れてる・・・」



クッキーは無惨にもボロボロに割れていた。

眞子が持ってきてくれた可愛い型で抜いたのに、もはや何の形なのかは判別できない状態だ。



なんでぇ・・・。



途方に暮れる朝日は、ここまで是人を追いかけるのに夢中になって、全速力で来たことを思い出した。

あの時は見失わないために必死でクッキーのことなど忘れてしまっていた。


「私の馬鹿ぁ・・・」


朝日は涙目で自分を責めた。


せっかく一生懸命作ったのに。


こんなクッキーじゃあげられないや・・・。



『朝日ちゃん、一生懸命クッキー作ったじゃない』



眞子の優しい笑顔が頭に浮かんだ。


眞子ちゃん、あんなに協力してくれたのに・・・。

渡せなくて、ごめんね・・。



心の中で眞子に謝りながら、朝日は帰ろうと身を翻した。



すると。