〔桃〕
あれから、彼方君はどうにか彼女の住所を手に入れた。

取り合えず、夜だけ彼女の家の張り込みを開始した。

あたしと雫は、報告だけを聞いていた。

でも、一刻も早く助けたかった。

3日目の晩。

まだ、7時なのであたしも付き合っていた。

雫には、反対されたけど押し切った。

そして、現在7時半。

大学生ぐらいの男の人が、彼女のアパートに入っていった。

彼女は、一人暮らしなので男はここに来るだろうと思ってた。

どうやら、正解だったようだ。

入ってすぐに、聞こえた激しい物音。

「よし、行くぞ?」

「ああ」

「うん」

3人で揃って彼女のアパートのドアの前まで、来た。

ガチャ

雫がドアノブをまわす。

ドアを開けて、入っていくあたし達。

「あぁ?なんだお前達」

「お前は、彼女倉島美奈(くらしまみな)さんに暴力を振るったな?」

倒れている美奈さんに、目を向けながら言った雫。

「ああ それがどうした?」