忍とお茶を飲みながら談笑していた潤はふと嫌な気配を感じた。
「忍様…こっちへ…」
「へ?どしたの?」
何も解らない忍は首を傾げながら潤の方へと移動する。
潤は忍の手をグイッと引っ張って寝室に押し込んだ。
「な…なによ!」
「いいですか、絶対にここを動かないで下さい!」
未だかつて見たことない程鋭い目をした潤に忍は不安になった。
「貴方はワタクシが守りますから…ご安心を…」
「じ…潤君…!」
潤はシッと人差し指を口に当てて「静かに…」と忍を黙らせた。
そして優しく忍の頬を撫でて微笑むと「鍵を」と言ってパタンとドア締めた。
どうしよう…!右京、早く来て!
忍はロザリオを握り締めながらただ祈るしか出来なかった。
ドアの向こうでバタン!と言う音が聞こえてビクッと身体が震えた。
潤の声と…低く地を這うような声…
明らかに右京の声ではない。
…誰!?
静かに部屋の隅まで後退してドアを睨む。
尋常じゃないくらい心拍数が跳ね上がる…!
ドクン…!ドクン…!
自分の心臓の音で隣の部屋の会話も聞き取れない程だ。