床に這いつくばる右京を見て司祭は眉を寄せた。



『…何をしているんです?』


『…あれが見えますか?』



右京が隙間を指差したのを見て司祭も床に膝を着いて覗き込んだ。



『なっ…なんですか、これは!?』


『恐らくこのシスターの見た蛇は使い魔ですよ…』



右京はそう言ってふぅと息を吹き掛けると魔法陣がサラサラと埃の様に煙りと供に消えた。



『君はエクソシストなのかい!?』



サイキッカーの次はエクソシストか…



右京はクスリと笑って立ち上がると『そんな感じです』と適当に答えた。



『もしかしたら牧師さまの部屋にも似たようなのがあるかもしれないですね…』


『わっ…私の部屋にも!?』


『大丈夫ですよ、蛇は出て来ませんから…

多分御告げを見せる為のものがある気がします。』


『じゃあ、あの夢は…』


『残念ながら神の御告げじゃありません。

信仰心を利用した洗脳かと…』



そう言うと司祭はがっくりと肩を落とした。



『それにしても一体誰がこんな事を!』



そう呟いて司祭は『もしかして…』と何かを思い出した様に右京を見た。



『数日前に修道士の一人行方不明だと聞いたんですが、何か関係がありますかね…』


『…確かに時期的に可能性は有りそうですね…』



だがそれも恐らく操られた人間だろう。