負けじと睨み返すリサはフン!と鼻を鳴らした。


『別にクロウに会いたくて居るわけじゃないわよ。』

『んな事分かってる。

お前、ここの学生じゃねーだろ!』

『まぁまぁ、二人とも喧嘩しない!』


慌てて間に入る虎太郎にリサはムッとした。


『ヒューガ!こんな男庇う必要ないわよ!』

『“こんな”とは何だ、“こんな”とは!』

『あら、“こんなチンケな”男ってはっきり言った方が良かったかしら!?』

『リサ!右京になんて事を…!』


一同はその様子をポカーンと眺めて『レベルが低い』と呟いた。


『リサって意外とやるわね!見直したわ~!』

『そうよね、ヒューガはクロウびいき過ぎよね~…』

『え!?俺が悪いの!?』


女性陣に攻め立てられる虎太郎のお陰で右京は論点がズレた事に胸をなで下ろした。

むしろ“魔女”などもうどうでもよくなったらしい。


あの場でマイク達に言いくるめられてたら否応なく“魔女探し”に連れてかれただろう。


終始騒ぎを楽しそうに傍観していたアランは右京に『夜P2で』と耳打ちをすると軽く手を上げてテラスを出て行った。


いつも絶妙なタイミングでうまいこと逃げる彼を感心しながら見送ると自分も静かに席を立つのだった。