魔女の噂もここまで広がって来るとますます動き辛くなる。
そのうち興味本位に魔女を見ようとする奴が…
『今度探しに行ってみねー?』
…ここに居たか…
マイクの一言に盛り上がるバカ達に右京はガックリうなだれた。
『クロウも行くだろ?』
『…んな迷信信じてるのか?俺興味ねーよ。』
珍しくノリの悪い右京に大きなブーイングが起こった。
今回ばかりはマイク達の誘いに乗るわけにはいかない。
万が一“魔女”に出くわしでもしたら行動を起こす事は不可能だ。
だがこの調子だと本当に探しに行きそうだ。
『魔女には近付かない方がいいよ…』
弱気なリーは『祟りがあるかも』と呟いた。
興味ないフリをしながら心の中で『いいぞ、リー!』とエールを送る。
『リー、怖いのか?』
『中国にはいろんな言い伝えがあるんだよ!
魔術師にはあまりいい印象がない…』
『確かに“魔女狩り”や“魔女裁判”があったくらいだからな~』
『映画でもあったじゃない!あれ怖かったよね…』
一気にヒートダウンする女性陣とまだ諦めないマイク達はその後も論争を続けた。
『もし何かあったらクロウやヒューガが居なかったら太刀打ち出来ないんじゃない?』
虎太郎の隣に居たリサが余計な事を呟いて矛先がこちらに向いたのがわかった。
…というか…
『…なんでお前ここに居るんだよ…』
当たり前のように虎太郎の隣にちょこんと座っているリサに右京は眉を上げた。