その後、右京は久しぶりに忍に連絡をした。


…といっても時間を考えメールにしたのだが…


返事を待つつもりだったのに結局そのまま寝てしまったらしい自分に、朝起きて自己嫌悪に陥った。


…俺疲れてるのかも…


忍からの返事を待てなかった事は初めてで“疲れてるかも”ではなく、確実に“疲れてる”が正しい。

だが右京はそれを理由にしたくなかった。


…これじゃ潤に言われても仕方ないな…


珍しく反省しながら忍からのメールを開いた。

自分を気遣う文面と忍自身も就職の内定を貰ったと書いてあった。


「…忍ももうすぐ社会人か…」


社会に出たらそれなりに出会いも増えるだろう。

忍は自分を待っててくれるだろうか?


潤曰わく“不甲斐ない”らしい男を彼女が一途に想っててくれる保証などない。


右京は最悪な事態を一瞬想像してブンブンと頭を振った。

そして“週末にゆっくり話したい”事を返信した。


「…会いてーな…」


シモンズの一件をなんとか片付けて休み中に一度日本に行ければと考えた。


今回の事件はなかなか糸口が掴めず長期戦になりつつある。

はぁ…と溜め息を付いて立ち上がるとシャワー室に向かった。