『なんでもっと早く気付かなかったのか…』
『“肩もみ”よりよっぽど重要な事だと思いますよ?』
右京は『う゛っ…』と言葉を詰まらせ潤から視線を逸らした。
『ですが今回ワタクシがお手伝いするのは“監視”のみですのでお忘れなく。』
『…なんだと?』
『不甲斐ない主人のせいで寂しい思いをしている忍様が心配ですので…』
ぐうの音も出ない右京に潤は目を細めて更にたたみかける。
『そもそも右京様がもっと忍様の事を気にかけていれば良かったのですよ。
ご自分のケツはご自分で拭いて頂きます。』
微かに黒いオーラを纏った潤が細めた目を光らせた。
右京様は『わっ…わかった』とたじろぎながら頷いた。
その様子にやっと満足した潤はにっこり笑って姿を消した。
潤の消えた空間を見つめ、深い溜め息を吐いた右京をアランは興味深そうに凝視するとゆっくり口を開いた。
『彼は…君の配下にあるんだよね?』
『…ああ…確かそのハズ…』
『少々立場に疑問を感じたよ。
ククク…非常に興味深い。』
『忍を出されたら何も言い返せねーだろ…』
『あんなに言いくるめられてるクロウは滅多に見れないよ。』
アランは『いいものを見せて貰った』とクスクス笑った。