『クロウは後で連絡してやれ。

シモンズについてだったな。』


アランはダンの入手した内容を話し始めた。


『アンナ・シモンズの兄は数年前に自宅近くの森の中で死体で発見された。

予想通り首を切断された状態だったらしい。』

『…物騒ですね…』


右京は半眼で『お前が言うな』と睨みながらアランに向き直った。


『好青年で恨みを買うような事は考え憎く、捜査はお手上げ。

目撃情報も証拠もなくて未解決事件として処理されてるって話だ。』


だが、デュラハンが襲ったとなるとシモンズの兄が善良な人間だというのが疑わしい。


『表面上善良な人間を演じていれば、裏で悪行をしているものですよ。』

『俺も潤と同感だ。シモンズは兄の正体を知っていたんだ…』


理由はわからないが、シモンズは兄を憎んでた。

そう…


“殺してしまいたいほどに”


その思いの強さがデュラハンを呼び寄せたとすれば…


『また呼び寄せるでしょうね。』

『せめて気付かれないように監視出来ればいいんだけど…』

『出来ますよ?』


そうか…


『そうだよ…!潤が居るじゃないか!』


潤がいれば気付かれる心配はない…!


『彼がなんだって?』

『潤は姿が消せる。たとえ監視に気付かれるような事があったとしても…』

『ワタクシであれば問題ありません。』


潤は『ご心配なく』とお決まりの可愛らしい笑みを浮かべた。