アランは楽しそうにその様子を眺めた。
『報告があるんだけど…そのままリラックスしながらでいいから聞いてくれるかい?』
これのどこがリラックスなんだと言いたいのを激痛で遮られる。
枕に顔をうずめたままコクコクと頷くとアランは“ウイッカ”のコミュニティーサイトについて話し始めた。
ロイが2時間で難なくハッキングに成功し、メンバーのIDとIPアドレス、更にチャットのログを入手したらしい。
『現在はIPアドレスから居場所を突き止める作業に取りかかってる。』
だが、あまり手を出し過ぎると逆に気づかれかねない為、期待は出来ないとアランは語った。
『シモンズの…っ…方は?…ぃっ!
おい!俺に恨みでもあんのか!?』
潤の必要以上に力の籠もったマッサージにさすがの右京も我慢の限界だったらしい。
『いえ、右京様に恨みなんてありませんよ。』
涙目になって潤の胸倉を掴む右京に悪魔は満面の笑みを浮かべた。
『しいて言うなら、忍様のお気持ちを表しただけです。』
『…なんだって?』
『口ではおっしゃいませんが…連絡を怠っているそうですね?』
『…その余裕がないんだよ…』
『言い訳は聞きたくありません。』
言い返せない右京は唸りながら拳をわなわなと震わせた。
アランは右京の肩をポンと叩きながら『落ち着け』と宥めた。