日付が変わった頃、やっとレポートから解放された右京は椅子にもたれて大きく伸びをした。
『…肩凝ったな…』
しばらくだらんと腕を垂らしたまま天井を眺めて『そうだ!』と立ち上がって魔法陣を出現させた。
「…お呼びでしょうか?」
「よぉ潤。
久々に呼び出して悪いんだが…肩揉んでくれよ…」
一瞬眉をピクリと動かして半眼で右京を睨んだ。
「…それはワタクシがということですよね?」
「当たり前だ。」
「…ワタクシじゃなくても良いのではないですか?」
「堅い事言うなって!」
バシバシ潤の肩を叩き「よろしく!」とベットにうつ伏せになった。
潤は溜め息をついて右京の背中に馬乗りして肩から腕を揉みほぐし始めた。
右京が喘ぎに似た声を漏らしていると部屋に入って来たアランが『すまない』と言ってそのまま出て行こうとした。
『待て待て待て!違うから!』
誤解してるであろうアランに慌てて状況を説明すると彼はニッコリと笑った。
『なんだ、君が噂のフォカロルだったのか…
てっきりクロウの愛人かと思ったよ。』
『そのような事はありません…心外でございます。』
『…なんだと、こら…』
こっちだって願い下げだ!
そう言おうとしたが、潤に思いっきり背中のツボを押されて代わりに呻き声を上げた。