それ以上何も言わない虎太郎をチラッと盗み見ると、思いっきり目が合ってしまってその気不味さにぷいと顔を逸らした。


『…なに…?怒ってんの?』

『怒ってないわよ。』

『なんで顔逸らすの?』

『別に!』

『…ならいいんだけど…。

またリサを怒らせたかと思ったじゃん。』


虎太郎はふぅと短く息をついてゴロンと寝転んだ。


『さっき右京からリサが寂しそうにしてるからってメール来た。』

『…クロウに言われて来たの?』

『結果的にはそうだね。』

『…ヒューガはクロウには忠実ね。』


リサは寝転んだ虎太郎を真上から見下ろして『ねぇ』と声を掛けた。


『私がそばに居て嬉しい?』

『嬉しいよ。』

『ならもう少し態度で示してよ。』

『…示してるじゃん。』

『どこが!?わからないわよ!』


虎太郎はうーんとしばらく考えてから真顔でリサを見つめて首を傾げた。

『どーすればわかる?』

『…衝動的に押し倒すとか?』

『はぁ?…それはないでしょ…』


確かに虎太郎はそんな事しないだろう。

だから余計ワガママを言って見たくなる。


『襲ってみなさいよ。』

『それは犯罪だよ?』

『違うわよ!…あーもう!面倒くさいわね!』


リサは虎太郎の胸倉を掴んで引き起こすと強引にキスをした。