ダンの話ではウイッカの2人と儀式で犠牲になりかけたグリーンが“黒いフードの男”を見たと証言してるらしい。


だが、シモンズを含めた他の奴らは『何も見ていない』と話していたのだ。


当の本人から見てもそれは不自然だ。


…シモンズは何かを企んでると考えた方が良さそうだ。


『シモンズについて分かった事はあったか?』

『前科がないからデータベースに引っかからないんだ。

両親の話だと兄が居たらしいが…。』


“居る”ではなく“居た”という過去形に右京は片眉を上げた。


『…その兄は?』

『数年前に他界してるって話だ。
詳しくはわかってないが…』


虎太郎は右京の顔を見て『もしかしたら…』と呟いた。


『その兄は“首”を持っていかれたかもな…』


アランも同じ考えに至った様で静かに頷いた。


だとしたら、シモンズをマークしていれば自ずとデュラハンに遭遇するはずである。


ただ、シモンズは警察側にも目を付けられている。

その上“黒いフードの男”は迂闊に近寄れない。


『慎重に策を練ろう。

“ウイッカ”についてはどうだ?』

『ざっと調べたらそれらしいサイトを幾つか見つけたわよ。』


シンディはデスクのPCを叩くとスクリーンにウィンドウを開いた。