まだ何か言いたそうなリサの唇に虎太郎は人差し指を立てた。
『リサ…俺も少し寝たいんだけど…添い寝してくれる?』
リサは少し顔を赤くしながら一瞬『へ!?』と言葉に詰まった。
『ホント可愛いね、リサは…』
虎太郎はクスクス笑いながらリサの手を引いて自分の部屋まで戻って行った。
途中、寮生の何人かとすれ違うとリサはいつも通り笑顔で応える。
さっきまで怒り狂ってたのにその変わりように感心すらしてしまう。
機嫌が直ったかと思ったが『誤魔化されないわよ』とボソッと言われ、虎太郎は大きな溜め息をつくのだった。
その夜、特にアランが招集した訳でもないがP2には珍しくフルメンバーが顔を合わせた。
ダンは右京の顔を見るや否や『おい、クロウ』と声をかけてきた。
『お前ウイッカに姿見られてるぞ…』
『ああ…そんな気はしてたよ。
シモンズは思いっきりこっち見てたしな。
顔は隠してたから問題ないだろう…』
『シモンズだけは見てないと言ってるらしい。』
『…それはおかしいな…』
あの時バッチリ目が合ったのはシモンズだけだ。
『…俺の存在を何故隠す?
あの女にとって邪魔な筈なのに…』
顎に手を当てて考え込む右京に『同感だ』とダンも首を捻った。