もしリサの話が正しいのであれば、犠牲になるのはそれなりに理由がある事になる。
『デュラハンに襲われると…やはり首を跳ねられるのか?』
『そうね。首から上を持ってかれるわ。』
この辺りでそんな事件があったならすぐに噂になるだろが、聞いたことがない。
『って事は、今のところ犠牲者はまだいないんだな…』
ホッとしたと同時に眠気に襲われて右京は大きな欠伸をしてベットに倒れ込んだ。
『…少し仮眠取る…』
『そうだね、少し寝た方がいい…俺も寝るかな…』
『えっ!?二人とも寝ちゃうわけ!?…女の子を置いて寝るなんて言語道断よ!』
ぷりぷりと怒るリサに右京は眉を寄せて『うるせー』と一言冷たく言い放った。
キレそうなリサに気付いて慌てて虎太郎は彼女の背中を押して部屋を出る事にした。
廊下に押し出されたリサは虎太郎を下から睨んで『ちょっと!』と怒りをぶつけた。
『ヒューガは大事な彼女があんな言い方されたのに何で言い返さない訳!?』
『右京に悪気はないさ。』
『悪気があるとかないとか…そういう事じゃなくない!?』
いつも右京に甘い虎太郎にリサの怒りは収まりそうにない。
虎太郎は困ったように笑いながらリサの頭をヨシヨシと撫でた。