しまった。

ジャンケンと間違えた。

パーなんて誰も出してないよね…。私すっごいKYじゃん。


あれ、意外とパーがいる!あさかちゃんと陽ちゃんだ!


そうか、二人とも天然だからやっちゃったんだ。

良かった。何となくホッとした。


「三人ともパー出すって…ここは天然多すぎでしょ」


諒ちゃんの冷やかな突っ込みを受けていると、ゾンビ風の看護士さんの格好をした人に誘導されて入口の前へ。


『わー、ついに来たねぇ。すっごく楽しみだなぁ。』


両手をブンブン振ってワクワクした様子の陽ちゃんと対照的に既に泣きそうなあさかちゃん。


「柚木ちゃん、あのね。」


あさかちゃんが陽ちゃんには聞こえないくらい小さい声で話しかけてきた。どうしたんだろう。


「どんなことがあっても引いたりしないであげてね?」


どういう事?って聞く前に入口があいちゃったから聞けなかったけど

「しないであげて」って陽ちゃんのことかな?