電話を切ろうとする誠に、「あっ待って!」と言った。

『何?』

「お…おやすみ。」

『ふ…おやすみ。』

電話が切れた。

ふ…て何?もしかして鼻で笑われた?挨拶はちゃんとしろって言ったのは誠じゃんか。何が可笑しいのよ。

赤くなった顔でブスッとしても、迫力なんかありゃしない。しかも一人だし…。

もう寝る!

バフッと枕に顔を埋めた。…けれど一度高ぶった神経は、なかなか眠りにつかせてはくれなかった。

やっと眠りについたのは、外が白々となり始めた頃だった。