隣の部屋の扉が閉まる音がした。
「くそ!!覚えてろよ。明日も来るからな。」
捨て台詞を吐き、もう一度扉をガンッと蹴ると足音が遠退いた。
高鳴っていた心臓は、少しずつ落ち着きを取り戻していった。
気が付くと、ケータイの向こうで誠の声が聞こえた。
『聖良…聖良…。』
「…あ、はい。」
『大丈夫か?あいつはどうだ。まだいるのか?』
「あ…ううん。今、帰ったみたい。隣の人が『煩い。』て追っ払ってくれた。」
『そうか。だったら今日はもう来ねえだろ。お前ももう寝ろ。俺も今から初発の時間まで仮眠するから。明日は朝8時頃帰る。学校、休むんじゃねーぞ。じゃあな。』