朝、「行ってきます。」と告げると、「おー、気を付けて行って来いよ。」と返事が返ってくる。

「うん。」とにっこり微笑むと、誠も笑顔で返してくれる。

こんな些細な事に幸せを感じていた。今までの生活にはなかった事。誠との生活は幸せに溢れていた。

今日は仕事をしている誠を見る事ができると思うと、ワクワクして授業は上の空。

どうやって驚かそうかと、ずっと考えていた。



昼休みのチャイムが鳴るとユカが近付いて来た。

「聖良、食堂行くの?私も行くから一緒に行こう。」

「……。」

ニコニコと私の腕をしがみつくように掴むと、ぐいぐいと引っ張って行った。