整理ダンスと壁の間にコンセントがあるせいで、50cm程のスペースがある。

そこに布を通した突っ張り棒をタンスと壁で支えて人がスッポリ収まる空間ができた。

「ほい。即席の更衣室。ちょい狭いけど、ここで着替えとかしろよ。」

…私が着替えるためだったのか。

「ありがとう!これで気兼ねなくできるよ。」

思わず抱きつくと、バランスを崩して後ろに倒れる誠。

「うわ…と…と…。」

ゴチン…

タンスの角に思いっきり頭をぶつけて、抱え込んでうずくまった。

「いってえ――。おま…もうちょっと加減しろや!」

「…目、潤んでるよ。よしよし。」

頭を触ると大きなコブができてた。