フクおばあちゃんの家は、ハラダさん家から1km離れたところにあった。
10年以上ほったらかしの家は、朽ちてボロボロになっていたが、間取りなんかはそのままで、中に入って歩いてみると、懐かしい感じがした。
昔の古い木造の家で、玄関の敷居は20cmはあるだろうか、跨いで入らないといけない。
玄関を入ると裏へ筒抜けになっていて、左手には土間の台所がある。
土間と部屋は1mぐらいの段差があり、小さな子には一人で上がるのは大変だった。
トイレは裏へ出た外に建てられていて、夜行くのは怖くてついて来てもらった。
裏に出ると、畑が広がっていて、柿の木や栗の木があった。おばあちゃんが、「秋だと実がなるのにねえ。」と言っていたのを思い出した。