「え…。私、そんな話したっけ?」
「いや、してない。だけど初めて手を繋いで寝た日、覚えてるか?あの次の日の朝、お前随分早起きで、『星見てた。』て言ったろ?その時何となく、こいつ知ってるな、て思ったんだ。」
「ふーん。鋭い。誰に聞いたのか分からなかったけど、きっとおばあちゃんから聞いてたんだね。」
会ったことのない誠とおばあちゃんを通じて共通の思い出があった事に嬉しくなった。
「さ、もう入ろう。夜はまだ冷える。」
部屋に戻った。
布団に入ると疲れてるはずなのに、すぐに眠れなかった。
「ねえ。」「なあ。」
二人同時に声を発した。
クスクスクス…笑いが溢れた。