空は雲が出てちらほら星は見えるけど、満天の星空ではなかった。
「なーんだ、残念。雲ってるよ。昔見た星空が見えると思ったのに…。」
「俺さ、小学校二年の時にここ来たんだけど、来たばかりの頃は夜なかなか寝れなくて、よくばあさんに河原へ連れて行ってもらってたんだ。その時見た星空が忘れられなくて…。んで、その時に夏は日の出が早いからよく見えないけど、冬は朝早く見ると夏の星座が見える…て教えてもらったんだ。」
「え…。」
「誰も知らない事を自分だけが知ってるみたいな気になって、誰にも秘密にしようって決めた。でも、それを知ってる奴が現れてがっかりしたんだ。」
「誰が知ってたの?」
「誰だと思う?」
「?」
「お前。」