「う…あ…。」
後から後から涙が溢れてきた。短い間だったけど、おばあちゃんの愛情が伝わって来て、どれだけ愛されていたのかが想像できる。
もっと一緒にいたかった。ずっと一緒にいたかった。
部屋の隅にうずくまって声を殺して泣いた。
襖が開いて誰かが入ってきた。その人は私の傍へ来るとそっと肩を抱いて、「お前も読んだのか…。」と言った。
こくん…と頷いて、胸にしがみついた。それに答えるように、ギュッと抱き締めてくれた。
「俺たちの知らないとこで、こんなに愛されて心配してくれる人がいたんだな。」
「うん。おばあちゃんだけじゃなくて、ここの人は皆温かくていい人たちばっかりだよ。」
「そうだな…。もうそんなに泣くな。狸みたいな目になるぞ。おばさんがご飯できたって。行こうか。」
「うん。」