「世の中狭いな。こんな近くに知り合いがいたなんて。んで、そいつが何だって?」
「仕返ししてやるって。昔、いじめられたから。私がケータイ落とした時、彼が拾ってくれたの。その時、登録してあった誠の名前見て言ってたよ。」
「…そいつ、俺とヨシザキマコトがごっちゃになってんな。
多分、いじめてたというのはヨシザキマコトで、俺より二つ下だったと思う。
あいつ、体がでかかったしな。でもな…。」
「でも?」
「女。」
「は?…女?」
「そ。体がでかくて喧嘩はするし、乱暴で見た目は完全に男。でも女なんだよ。」
「…じゃあ、彼の勘違い…。」
「そういう事だ。今会っても顔見りゃ分かるんじゃねえの。」