玄関を開けると煙草の臭いがした。
リビングで何人かの気配がする。4、5人というところか…。
リビングの扉を開ける前に深呼吸をして、思い切って扉を開けた。
もうもうとした煙草の煙の中、4人の男たちがポーカーに興じている。
何を賭けているのか…。
いきなり開いた扉に一斉にこちらを向いた。
「よお、聖良。やっと帰ってきたか。ここへ来いよ。」
「帰って来たんじゃない。話があって来たの。」
「なーに怖い顔してんだよ。せっかく帰ってきたんだ。おい、今からやるか。」
「もう始めんの?ちょっと早くねぇ?」
「いいじゃん。聖良ちゃんのご帰還祝という事で。」