「待てよ。俺が先に出る。星崎誠が俺の考えてる奴かどうか、確かめてやる。」
玄関の扉を勢いよく開けた。
誠は自転車にまたがったまま、こちらを向いた。
でもその顔はニット帽を被り、ハイネックのセーターを口元まで伸ばして、黒いサングラスをかけていて、ちょっと見ただけでは誠だとは分からない。
「おい、帰るぞ。中田君だっけ?邪魔したな。」
それだけ言うと先に行きかけた誠を、慌てて追いかけた。
「あ…待ってよ。もう…。ありがとね。それじゃ。」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…