一度コールしただけで電話に出た誠。

『はい。』

随分不機嫌な声が聞こえた。

「連絡が遅くなってごめんなさい。ケータイなくして探してたの。」

『なくした!?何やってんだ。気を付けろよ。で、今どこにいんの?早く帰って来いよ。』

「うん…それが…。クラスメートの家なんだけど…。」

『何だよ?また道分かんねーのかよ。』

「…うん。」

『情けねー奴だな。お前のケータイにGPSつけてて良かったよ。そこにいさせてもらえ。迎えに行ってやるから。近くまで行ったらまた電話する。』

そう言って電話が切れた。