ガタン…ゴトン…


電車に揺られること、数十分…。

下りの急行列車に乗って、目的地へ向かっていた。

吊革に捕まって、窓の外を眺めていたけど。

気分が悪い…。早く駅に着かないかな。


嫌な汗が額に滲む。吊革に捕まった腕に頭を乗せて、


誰か…。席、空けてくれないかな…。


と思ってみても、そんな事あるはずもなく。

その時、電車が駅に滑り込み、慌ててホームに降り立った。

目の前が真っ白になって何も見えなくなった。途端、意識が途切れた。