突然、唇はその働きを奪われた。
柔らかく、熱いものに。


「……っ、」


ズルい。
最後くらい、ちゃんと言わせて。


「あまり可愛いことばっか言うな。一応これでも我慢してるんだ。…何もかも、どうでもよくなるだろうが。」


何それ。
そんなの、…知らないもん。


「…知らない。」


もう、知らない。
噛みつくようにキスを返した。


「…覚えておいて。 」


やめちゃうって言った。
ほどなく、お別れの時が来るんでしょう?

一時の思い出なんかに、させない。


「好き。トウマが冷たくても、Sarahさんとか、他の人のこと考えてても、あ、…あたしのそばからいなくなっちゃっても、あたし、トウマが好き。たんぶんずっと、永遠に。離れるつもりなんて、ないから。」

「〜〜〜…、なんで、こうなるんだ。」



そのまま息もできないくらい、抱きしめられる。



「お前、知らないだろう、俺がどんな気持ちで、どれくらいお前のこと、ずっと見ていたか。」