「…烈火さん? どういう…」
「…トーマス。」
「頭のてっぺんまで赤くなってますよ、烈火さん。」
「誤解DAっ!私は純粋にプロデューサーとしてだな…」
「プロデューサーとして、安藤を…“アイドル”に育て上げようとした。」
・・・アイドル?
「SO…それは今…。」
「烈火さんの夢でしたよね、まっさらな女の子を1から育てて、歌って踊れるアイドルDJにするんだって。」
「トーマス…!!」
「恋愛禁止ルールも、そもそもはアイドル計画があったからでしょう。」
「………ぐぅ、」
「マイ・フェア レディみたいに自分好みに育てて、その後自分の……」「WAーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
キイィィン!とマイクが嫌な音を立てた。
「危!止!禁!!!!わーーーー!なのっ!!トーマス!その先はわーーーーーっ!!なのっ!!わかる!?」
うわぁ、こんなに焦る烈火さん初めて見た。
…DJなのにアイドルって何なんだろ?
「やだね。…ペロッといただかれる所まで、黙って見てるつもりもないですよ、俺は。」
「……ぬ…ぬぬ」
それきり、烈火さんは黙ってしまった。
そう言えば面接の時に、歌やダンスの経験を聞かれたっけ。どうしてそんな事を聞かれるのかうっすら疑問だったんだけど…
「烈火さん…」
あたし、プロの喋り手を目指してるんです、けど…